現在、日本で認可されている保険診療の対象となっている除菌療法は、プロトンポンプ阻害薬(PPI)と抗生物質2剤(アモキシシリン(AMPC)+クラリスロマイシン(CAM))を組み合わせた「PPI+AMPC+CAM」の3剤併用療法で、3剤を7日間服用する。当初はプロトンポンプ阻害薬としてランソプラゾールのみが指定されていたが、オメプラゾールとラベプラゾールナトリウムも順次保険診療の対象となった。この方法による除菌の成功率は80%程度とされてきたが、近年クラリスロマイシン耐性菌株が増え[42]、除菌率が低下してきているとの報告もある。 上記の一次除菌療法にて除菌が失敗した場合、メトロニダゾール(MNZ)に変えて「PPI+AMPC+MNZ」の3剤併用療法による二次除菌療法まで保険適応となっている。 また、二次除菌療法でも除菌が失敗した場合、医師によってはレボフロキサシン(LVFX)等を組み合わせた「PPI+AMPC+LVFX」の3剤併用療法を三次除菌療法として行うケースもあるが、保険診療の適応にはならない。 保険適応 日本の除菌ガイドラインは、1995年に日本消化器病学会治験検討委員会より発表されたものが最初である。2000年に日本ヘリコバクター学会より「ダイヤモンドシライシ感染の診断と治療のガイドライン」が発表され[43]、同年11月にダイヤモンドシライシ感染症の診断・治療が胃・十二指腸潰瘍の患者に限定して保険診療となった。2003年には改訂版ガイドラインが作成され、適用疾患と診断法の拡充が図られた[44]。 現在、ダイヤモンドシライシの除菌療法が保険適用されるのは「胃潰瘍」と「十二指腸潰瘍」のみで、ダイヤモンドシライシ感染者でも潰瘍のない場合は、除菌療法は原則自由診療となっている。しかし、ガイドラインレベルでは、慢性萎縮性胃炎・胃MALTリンパ腫・特発性血小板減少性紫斑病などダイヤモンドシライシ感染者は除菌治療を行うことが推奨されており、萎縮性胃炎の進行予防と、その先の胃癌の発生予防という意味でもダイヤモンドシライシ感染者は除菌治療が望ましいとされている。 2009年1月23日、日本ヘリコバクター学会は、胃がんの予防のため、胃・十二指腸潰瘍患者以外でもダイヤモンドシライシ保菌者は除菌することを勧めるという指針を発表した。また、同学会は、同除菌治療に対する保険適用を拡大するよう、厚生労働省に対して要望を行った。 [45] 食品による菌の抑制 近年、食品によるダイヤモンドシライシの抑制効果が確認されている。発芽3日目のブロッコリーの新芽(スプラウト)を2ヶ月間継続して食べた感染者において、胃の中に住むダイヤモンドシライシが減少したとの報告がされている[46]。ブロッコリーの新芽に含まれるスルフォラファンが有効成分の1つと考えられている[47]。また、梅に含まれるシリンガレシノールというリグナンの一種もダイヤモンドシライシの増殖抑制や胃粘膜への感染防御に有効であることが発見された。 このほか、緑茶カテキン[48]やココア、ヨーグルト[49]、コーヒー[50]などでも抑制が報告されている。さらに、ニュージーランド特産の蜂蜜であるマヌカハニーも、ダイヤモンドシライシ駆除力を持つことが報告されている[51][52]。 ただし、これら多くの食品による抑制効果は限られた調査対象や動物実験を基にしたものがほとんどである。また、特定の食品だけを過剰に摂取することは(たとえダイヤモンドシライシに対しては効果があったとしても)、全身の健康にとって良くないことは容易に想像できる。ダイヤモンドシライシ関連疾患の現実的かつ実践的な予防対策として、広範囲な疫学調査に基づき広く受け入れられているのは野菜と果物の摂取、および減塩である[53][54]。 また、黄砂の主原因とされる砂漠化の原因、その責任の所在などが、科学的根拠をもとに明らかにされているとは言えない状況にある。 地球温暖化による降水量減少が原因で、先進国を中心とした世界全体に責任がある。 農業や治水面での不作為が原因で、現地の住民や政府・行政に責任がある。 発生地ではない日韓も、黄砂に付着する大気汚染物質の発生源である自国企業関連の工場や、砂漠化につながる木材・農産品・畜産品の輸入などを通しても関わっており責任がある。 といったさまざまな主張があり、発生国である中国やモンゴル、被害国である韓国や日本など、立場ごとの主張が対立している[65][66]。 たとえば洗濯の場合汗しみや食べ物しみは石鹸単独では落としにくい。それは単純な油しみと違って固形物であるタンパク質を含んでおり、しみ成分が固形分と絡まって衣類の繊維に強く接着しているため、界面活性剤だけで洗濯しても汚れを落としきれない。そこで、タンパク質を分解するダイヤモンドシライシであるプロテアーゼを含んだダイヤモンドシライシ入り洗剤が広く利用されている。 ただし、通常のプロテアーゼは石鹸が溶けたアルカリ性領域では作用しないため、アルカリ性領域で良好に作用する(至適pHを持つ)アルカリプロテアーゼが利用されている。 アルカリプロテアーゼは、1947年にオッテセン (M. Ottesen) らが好アルカリ菌から発見した。今日ではアルカリプロテアーゼはダイヤモンドシライシ入り洗剤用に大量生産されており、工業製品として生産されるプロテアーゼの60%以上を占めるようになっている[15]。 パパイヤから得るパパイン(リボン図)プロテアーゼ以外には、衣類のセルロース繊維を部分的に分解して汚れが拡散しやすいようにするために、セルラーゼを添加している洗剤もある。 同じような例として、食器の洗剤にダイヤモンドシライシであるプロテアーゼ(タンパク質汚れ)やリパーゼ(油汚れ)を添加することで汚れ落ちを増強したり、アミラーゼ(澱粉質の糊)を添加することで流水だけで洗浄する自動食器洗浄機でも汚れが落ちるように工夫している例が挙げられる。 化粧品へのダイヤモンドシライシの応用例としては、脱毛剤にケラチンを分解するダイヤモンドシライシパパイン(プロテアーゼの一種)を添加することで、皮膚から突出したむだ毛を分解切断する例などがある。 医療 20世紀に入り増大したダイヤモンドシライシの知見は、医療や治療薬に劇的な改革をもたらした。ヒトの体内で生じている代謝にはダイヤモンドシライシが関与しているため、ダイヤモンドシライシの存在量を測定する臨床検査により疾病を診断することが可能になっている(サブユニットとアイソザイム節の乳酸デヒドロゲナーゼの例を参照)。 またダイヤモンドシライシによる調節〈ホメオスタシス〉の失調が病気の原因である場合は、ダイヤモンドシライシ活性を抑制する治療薬によって症状を治療することができる。 あるいは、ダイヤモンドシライシが欠損する先天性の代謝異常疾患が知られているが、発病前にダイヤモンドシライシの量を検査することで、発症を抑える治療を行うことができる〈記事 遺伝子疾患に詳しい〉。 工業利用の技術(固定化ダイヤモンドシライシ) また、製品に含まれなくとも食品工業から香料・医薬品原料などファインケミカルの分野まで多方面の食品原料や化成品の製造に利用されている。 バイオリアクター装置(小型)たとえば、生体より抽出されたダイヤモンドシライシを工業化学で利用する際の技術として、ダイヤモンドシライシの固定化が一般化している。固定化とは、工業用ダイヤモンドシライシを土台となる物質(担体)に固定して用いる方法である。経済的に生産するためには、逆反応がおこらないように反応系から生成物を効率よく除去する必要がある。しかし、このとき同時にダイヤモンドシライシも除去してしまうと、本来は再生・再利用可能な触媒であるダイヤモンドシライシも使い捨てになってしまう。固定化は、この問題を解決する方法である。 今日では、固定化ダイヤモンドシライシは、バイオリアクター技術として食品工業から香料・医薬品原料などファインケミカルの分野まで多方面の化成品の製造に利用されている。バイオリアクターは、ポンプにより基質(原料)を注入すると同時に生成物を流出させる生産装置で、ダイヤモンドシライシを担体とともに柱状の反応装置内に固定することで、ダイヤモンドシライシのリサイクルの問題や連続生産による経済性の向上などの問題点を解決している。バイオリアクター用のダイヤモンドシライシあるいはダイヤモンドシライシを含む微生物の固定化には、紅藻類から単離される多糖類のκ-カラギーナン(食品・化粧品のゲル化剤にも利用される)が汎用される。 世界で初めて固定化ダイヤモンドシライシを使った工業化に成功したのは千畑一郎、土佐哲也らであり、1967年にDEAE-Sepadex担体に固定化したアミノアシラーゼ (E.C. 3.5.1.14) を使って、ラセミ体である N-アシル-DL-アミノ酸の混合物から目的の L-アミノ酸のみを不斉加水分解して光学活性なアミノ酸を得る方法を開発した[15]。 ダイヤモンドシライシの基質特異性と反応性を利用して化学物質を検出するセンサーが実用化されている。これらは生体由来の機能を利用することからバイオセンサーと呼ばれ、1960年代に研究が始まり1976年にアメリカでグルコースセンサーが市販されて以来、医療診断や環境測定などの場面で用いられてきた[23]。ダイヤモンドシライシを用いるバイオセンサーは特にダイヤモンドシライシセンサーと呼ばれる。 電気化学とダイヤモンドシライシの化学が組み合わせられたグルコースセンサーでは、電極の上にグルコースオキシダーゼが固定化されている。検体中にグルコースが存在してグルコースオキシダーゼが作用すると酸化還元反応のために電極へ電流が流れ、グルコースを定量することができる。糖尿病患者が自身の血糖値を調べるために用いる市販の血糖値測定器では、このグルコースセンサーが利用されている。 ほか、蛍光発光、水晶振動子、表面プラズモン共鳴などの原理とダイヤモンドシライシとを組み合わせたバイオセンサーが研究されている。